富士重工業株式会社様
SAP R/3導入事例

R/3による新基幹システムの本稼働で、リードタイムの15%短縮、間接業務の20%効率化などを実現されました。
導入の目的としては、R/3を導入し、受注~生産、生産委託~出荷をシームレスに連携したいとのことでした。
WebとR/3を連携し、生産委託先に対する情報提供、生産指示、リアルタイム実績収集を行いました。
概要
業種 | 汎用エンジンおよびエンジン関連機器製造・販売 |
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業務 | 販売・生産管理 |
ソリューション | SAP R/3 |
プロジェクト期間 | 31ヶ月 |
背景
従来のメインフレームシステムは、機能追加・改良作業を行いながらも、構築後30年が経過している。経済発展の優劣が、グローバル化・IT化の進度との相対で議論される状況下にあって、基幹システムが経営環境の変化に対応できなくなっているのが現状である。
その現状を真摯に認識し、お客様は基幹システムの更新を重要かつ緊急の課題と位置付け、R/3にて再構築する方針を固められた。同時に、BPRを行い、新業務プロセスへ移行することとした。
課題
主目的
- CSの向上 (迅速な受注・出荷対応、短納期化)
- ESの向上 (明瞭な業務プロセス、統合データベースによる情報共有)
- 経営力の強化(経営判断の迅速化)
具体的な課題
- ● リードタイムの15%短縮
- ● 間接業務の20%効率化
項目 | 開発環境 | ターゲット環境 |
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機種 | HP/UNIX機 | HP/UNIX機 |
OS | HP-UX | HP-UX |
ネットワークOS | - | - |
データベース | ORACLE | ORACLE |
その他PP | R/3、IIS | R/3、IIS |
開発ツール | ABAP | ABAP |
開発言語 | ABAP | ABAP |
システム処理概念図

開発スケジュール | 初年度 |
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翌年度~ |
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開発規模 | その他(140Kステップ) |
システム構成図

効果
- 顧客への納期回答が、即時対応となった
- 各担当者・管理者各自のPCにて、必要情報の検索が可能となり、顧客に対するサービスの向上が図られた
- オーダの計画折込み、スケジューリングサイクルを月次から日々へ短縮した。これらにより、受注から出荷までのリードタイムを15%短縮した
- 営業部門、生産計画・製品管理部門の業務プロセスを合理的なものとし、対象業務の作業時間を20%削減できた
- 時点ごとに、受注・生産・売上情報を総括できるようになり、経営判断の迅速化が図られた
具体的な効果
リードタイムの短縮
下記改善により、リードタイムが15%短縮した。
- 需要予測による枠設定
- 受注予測システム活用で、代表品目への枠設定を可能にした
- 計画サイクル短縮
- 月次から日々のサイクルへ短縮
- 情報管理
- 受注登録、出荷依頼登録からMPS・現場への指示へリンクし、出荷ごとのセット管理を実現
業務の効率化
営業項目が15%も改善した
プロジェクト補足情報
- 加工・組立産業である、当該ユーザにおいて、従来の基幹システムと一連の管理システムは、部門最適を背景とし、複雑であった。これに対して、本プロジェクトでは、顧客満足・全体最適を志向する新業務プロセスと、各種CSPシステムとの組み合わせにより、R/3の導入を成功させた。
- 新システムは、営業部門と生産部門の各々の情報が共有されることを目指し、実現した。
具体的には、納期回答画面、受注から出荷までの進捗問い合わせ画面などをサービスしている結果であり、営業部門と生産部門のコミュニケーションも向上した。 - ITSの導入も合わせて実現し、Webを介して仕入先(製品生産/出荷の委託先)とのEDI、SCMを実現した。この機能を実現したことにより、下記の業務処理が可能となった。
- 受注を背景とした委託製品の発注/内示
- 支給品(半製品)の生産情報共有、支給日程調整
- 委託先生産実績の収集
- ビジュアルフォームメイドを活用した、Web経由での出荷指示書の委託先での印刷
- 委託先出荷実績の収集
- 各ユーザごとの、各種帳票などの要求に対しては、表計算ソフトによるエンドユーザコンピューティングで対応した。このために、R/3データベースから、情報を抽出する、エンドユーザ向けのデータベースを構築した。データおよび機密保護を考慮したことは云うまでもないが、エンドユーザがより身近に情報を使える環境を整備することに腐心した。
- R/3を補完する、周辺システムは、現場からの要件に対応することを可能としたとともに、開発の期間短縮に貢献した。
- 今回の、基幹システム導入を成功させたことで、今後展開するシステムは、方針・方向性が決め易くなっており、Web受注、SCM、CRMといったテーマの展開が期待されている。
システムの説明
今回は製品のみが対象であり、半製品以下部品までは三次開発の対象
販売管理 |
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生産管理 |
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在庫/購買管理 |
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Web |
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