キーウェアソリューションズ株式会社

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つがる弘前農業協同組合様
Platioを使って2ヵ月で「りんご在庫管理アプリ」を作成・運用~年間約500時間の集計作業時間と5,000枚の紙を削減~

Platio導入事例

アプリで在庫数を報告する様子
青森県弘前市を中心とする津軽地域の農業を支援するつがる弘前農業協同組合様(以下、JAつがる弘前)。日本有数のりんご生産地である津軽地域で農産物の販売促進、農業技術の提供、農業経営の支援をおこなう同組合では、年間約5万トンにもおよぶ農産品(りんご)の在庫管理の効率化が課題でした。

これまで紙の報告書で行っていた販売在庫管理のデジタル化を2ヵ月という短期間で可能にしたモバイルアプリ作成ツールPlatioの導入事例を紹介します。

Platio導入の背景

JAつがる弘前様では、年間約5万トンのりんごを中心とした農産品を取り扱っており、これらは7つの貯蔵拠点で管理されています。各拠点では、手作業でりんごの数を数え、その結果を手書きメモで記録、報告書を清書して事務所にFAXで送信していました。

事務所では送られてきた報告書を担当者が手作業でデータの入力・集計をし、その情報をもとに販売担当者が販売提案を行っていました。また、届いたFAX用紙をファイリングして保管するという作業も必要でした。

手書き報告書での運用には、いくつかの課題がありました。

まず、報告書を作成する際に記録ミスが起こる可能性がある上に、FAX送信をする手間がかかること。次に、届いたFAXの内容を手作業でデータ入力して集計する過程で転記ミスが発生することもありました。また、情報共有に時間がかかるため、在庫数を正確かつ即時に把握することが難しいということもありました。加えて、紙の報告書を保管するためのスペース確保も大きな課題でした。(図1)

これらの課題を解決するためには商品管理、在庫管理のデジタル化が不可欠となり、在庫管理アプリ導入が検討されました。

図1

直面した大きな課題

Platio導入の決め手

在庫管理アプリ導入にあたり、「誰でも使える」「低コスト」、そして最も重要だったことは「短納期」でした。

報告書のデジタル化を検討し始めた6月下旬から、りんご収穫の繁忙期になる9月のアプリ稼働に向け、準備に費やせる期間は実質2ヵ月弱しかありません。通常、ゼロからアプリを開発するには3ヵ月から6ヵ月ほど時間がかかるため、スピーディーな対応が求められました。そこで、以前「VR技術を活用したりんごの剪定学習支援システム」の共同研究で交流のあったキーウェアにご相談をいただきました。

キーウェアでは、いくつかの方法を検討、ご提案しましたが、プログラミング知識が不要で、JAつがる弘前様でもメンテナンスが可能なノーコードツール「Platio」を採用していただきました。Platioは100種類以上あるテンプレートを活用することで素早くアプリの大枠をつくることが可能で、短い開発期間で報告書のデジタル化を実現できる点が採用いただいた決め手となりました。

ノーコードツールとはいえ、2ヵ月という短い期間でのアプリ作成ということで、JAつがる弘前様とキーウェアが協力しながら設定項目の洗い出しやデータ設定の内容を検討しました。内容が決まった後は、テンプレートを使用してノーコードでアプリの大枠や画面を設定しました。クリックやドラッグ&ドロップといったマウス操作を中心に項目の追加や設定、表示調整ができるため、3日程度でアプリを完成させました。

現場で実際に入力を行うご担当者様の意見も反映させることで、誰でも簡単に使いやすいアプリの作成が実現でき、アプリを使っていく中で出てきた現場の声をもとに自分たちでアプリをブラッシュアップしていくことも可能となりました。

Platio導入の効果

Platioで作成した「りんご在庫管理アプリ」が本格稼働すると、報告書作成やデータ集計の作業時間が1日あたり3時間短縮され、年間で約500時間の工数削減に繋がりました。(図2)

7拠点のデータも事務所で即時に一括集約できるようになり、リアルタイムでの情報共有が可能となりました。これにより、各貯蔵庫と事務所間の情報共有だけでなく、出荷先や販売先などの取引先とのやり取りにも、最新データを迅速に活用できています。

さらに、ペーパレス化によって年間5,000枚分の紙コストやFAX送信費用が削減され、保管場所の確保も不要になるなど、大きな効果を得られました。

今後は、Platioでデータ化した在庫データを既存の在庫管理システムと連携させ、より効率的かつ戦略的なデータ活用を目指すことも検討されています。

図2

Platio導入による作業の変化

担当技術者からのコメント

今回のJAつがる弘前様とのプロジェクトでは、2ヶ月という限られた期間でりんご在庫管理アプリを稼働させるため、現場担当者の皆様との緊密な連携が不可欠でした。JAつがる弘前様からは、現場の運用や業務ルールについての詳細な情報提供と即時のレスポンスをいただけたことで、短期間でのアプリ開発が実現しました。

支援に際しては、現場の使い勝手を最優先に、既存の業務プロセスとの整合性を保ちながら、効率的かつ入力ミスを防止する環境を整えることを心がけました。また、将来的なシステム連携も見据えたデータ構造の設計に注力し、今後の業務発展に寄与できるようなシステム基盤を構築しました。

今後は、JAつがる弘前様の業務効率化をさらに進めるために、在庫データを他システムと連携させることで、より高度なデータ活用を実現し、販売業務の付加価値を高めていきたいと考えています。現場のニーズに応えつつ、最新技術を活用したさらなるサポートを提供し、地域農業の発展に貢献できればと願っています。

先端ソリューション企画本部 
久保 康太郎

お客様プロフィール

つがる弘前農業協同組合様

所在地:〒036-8522 青森県弘前市大字城東北四丁目1-1
従業員数: 362名(2024年4月30日現在)
事業内容:JAつがる弘前の主な取扱農産物であるりんごの集出荷・販売

URL:https://www.ja-tu-hirosaki.jp/

Platioについては こちら をご覧ください。

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