株式会社コスモライフ様
基幹システム刷新プロジェクトの支援事例
「人を咲かせる」が企業理念の株式会社コスモライフ様は、「安全・安心」をモットーに、独自技術を搭載したウォーターサーバーを数多く開発し、国際品評会でも受賞実績のある天然水をお届けする“コスモウォーター事業”と、急速に拡大が進む浄水型ウォーターサーバー市場において“ハミングウォーター事業”を展開され、これまでに150万人以上のお客様に商品をお届けされています。
このうち、“ハミングウォーター事業”のお客様ニーズの多様化への対応として、今後のサービス拡張性も視野に入れた基幹システムを刷新されることとなり、PMOとしてキーウェアがプロジェクト支援を行いました。
基幹システム刷新プロジェクトでの大切なポイントを対談形式でお聞きします。
お話を伺った皆様
株式会社コスモライフ
マネジメント部 部長 神盛 由美子 様
組織のマネジメント、会社全般の施策や物品の管理、基幹システム含め、全般的なツール管理など、幅広い業務に携わられています。
株式会社コスモライフ
総務部システム課 課長 清瀬 琢巳 様
社内インフラや情報セキュリティなどの総務部システム課のマネジメントをご担当されています。
株式会社コスモライフ
マネジメント部コントロールセンター 宮慶 裕哉 様
社内基幹システムの運用と、維持、メンテナンスを担当されています。
カスタマーサクセス本部
コンサルタント 今井 祥智
今回のプロジェクトにて、PMOを担当。コスモライフ様に常駐してシステム刷新プロジェクトのサポートを行いました。
※以下、敬称略
暫定的に導入した旧システムからの脱却 ~導入背景
—今回の基幹システム刷新のきっかけや経緯を教えてください。
神盛もともとハミングウォーターの旧システムについては、事業化を最優先し、顧客管理において必要となる機能が中心の仕様となっていました。
これにより、最短での事業立ち上げを実現しましたが、その後、想定を超えるスピードで多くのお客様にご利用いただくようになり、事業開始から1年ほど経過した時点で、全面刷新することを決めました。 今井
具体的には、お客様の多様なニーズにお応えするため、アナログ的に他システムと手動連携されている部分がありましたが、オペレーション面で限界が生じ始めていると感じました。 神盛
顧客数の急拡大に伴ってデータ量も増えていきましたが、システムのレスポンスが低下していたことや、セキュリティ面の更なる強化、他にも販売チャネルの多様化に向けた代理店管理機能の強化、といった課題も抱えていました。
—プロジェクト開始前に不安なことはありましたか?
神盛私は別の商品の基幹システム刷新を2度経験しているのですが、その時は消費税改定に合わせてのシステム刷新となったため、運用開始を延期することが出来ず、「見切り発車」となってしまいました。その結果、運用開始後の安定運用までにはかなりの期間を要してしまい、時には夜間まで確認作業に追われる、ということも経験しました。今回のシステム刷新では同じことを繰り返さないようにしたい、という強い思いは持っていましたね。 今井
夜間対応は3交代制で行っていたと伺っています。大変なご経験だったと思います。
—システム刷新が決定し、キーウェアを採用していただいたわけですが、決め手は何だったのでしょうか。
清瀬3社ほどのコンサルティング企業と面談させていただいたのですが、その中でもキーウェアはシステムの知見が高く、組織がしっかりしていて、頼りになる印象でした。
キーウェアのアジャイル思想も当社の考え方に合っていて、今回の案件に限らず、今後長く付き合っていけそうな会社という評価をしました。
—ありがとうございます。プロジェクト開始前、キーウェアに期待していたことなどありますか?
清瀬RFP(提案依頼書)の作成経験が当社では十分ではなかったので、システム刷新の要件整理のテンプレート化はもちろん、これまでの知見を活かした業務要件整理において、新たな視点をいただきたいという期待がありました。
また、開発業者選定にあたっても、キーウェアの人脈やシステム開発の知見を活かし、開発力とコスト競争力を兼ね備えたパートナー様をご紹介していただけることも期待していました。 神盛
プロジェクトマネジメント支援の立場として、全体を見て計画を落とし込み、資料を作成するなど、「プロマネ機能」のノウハウが少なかったこともあり、これらの役割を果たしていただけたことは、とても助かりました。
各部署のこうしたいを実現 ~導入効果
—プロジェクトが進む中、大変だったことや苦労された点はどうでしたか?
神盛実際のオペレーターたちの作業性を考慮して、「欲しい機能」を盛り込んでいくことを心掛けていました。ただ、「実現したいこと」を挙げ始めると範囲がいくらでも広がってしまうため、ある程度将来的な構想も考慮した上で、「実装する」「実装しない」という取捨選択を行いましたが、この調整にとても苦労しました。 今井
RFPの作成にあたり、清瀬さん、神盛さん、宮慶さんと一緒に、各部署の方々に、1日の流れ、週の流れ、月の流れといった形で現在の業務を確認し、今後どのように業務を行っていきたいかをヒアリングしていきました。
皆さんの業務はきちんと理解する必要がありますが、あまり細かく深堀してしまうと、際限がないですし、このバランスを調整されることに、とても苦労なさったのではないでしょうか。
私自身としても実際にヒアリングさせていただく中で、当時の業務の大変さは肌で感じていました。
—PMOの立場で難しかったところはありましたか?
今井私は、清瀬さん、神盛さんの支援という役割で、どのタスクをいつまでに行うといった計画をお二人と相談し、資料として作成する。計画を立てた後は、進捗管理や課題管理を、皆さんと定期的に連絡を取り合いながら行っていきました。
プロジェクトマネジメント支援の役割で参画しましたから、私自身が作業を行うわけではなく、現場の皆さんに作業していただくことになりました。
プロジェクトメンバーの皆さんは、本来の仕事を抱えながらシステム刷新に向けてのタスクを進めていただくことになりましたので、通常業務に割く時間にも配慮しながらプロジェクト進行を遅らせないようにする、というバランスをとることが一番難しかったですね。
—通常業務と並行して進めた大規模なシステム刷新プロジェクトでしたが、進捗具合はいかがでしたか?
開発業者から提示されたスケジュールも考慮して進めていきましたが、設計をしているうちに、お客様へのサービスを満足に行うためには機能追加が必要になったり、旧システムからのデータ移行の期間を要したりしたため、当初の予定より少し時間がかかってのサービスインとなりました。 神盛
欲しい要件が膨らんだというのもありますし、基本設計をして作っていく段階で、認識のズレがあり、設計をやり直したこともありました。
特にデータ移行は大変でしたね。想定していた移行テストではうまくいかない部分があり、2回ほどテストを増やして精度を上げたため、スケジュールの引き直しで苦労した部分もあります。 今井
スケジュールは少し伸びましたが、その分、現段階で先を見越した機能はおおよそ実装できたのではないかと思っています。
—貴重なお話ありがとうございます。それでは、今回の刷新で今までの業務はどのように変化しましたか?
宮慶他のシステムにデータ連携するというフローは変わりませんが、手作業で行っていたデータ加工のような途中作業がぐっと減りました。取り込む処理やエラーが起きた時の処理など、切り分けがしやすくなりましたね。
また、サービスセンターへの入電時に行うお客様情報の確認業務も迅速に行えるようになりましたので、お客様をお待たせすることなく、オペレーターの手間も確実に軽減できていると思います。 神盛
業務処理面では、サービスセンターでウォーターサーバーの交換等を受け付けた際に、その後の配送手配まで一貫して処理できるようになったことが大きいです。
旧システムでのオペレーションは、サービスセンターで受け付けた内容の入力処理を別の部署で担当していましたので、効率化ができていると思います。
また、後日対応が必要なタスクの管理や、部署間での連絡事項のやり取りなどについても、要件として追加した「申し送り機能」によってシステム内で完結できるようになりましたが、これも大きな効率化になっています。 宮慶
以前は「申し送り」をメールで行っていたので、日々あちらこちらの部署でメールが飛び交っていたのですが、システム内で完結するようになって大量のメールがなくなった話はよく聞きますね。 神盛
お客様対応で数日後に再度連絡する必要がある場合には、その情報を紙で出力して保存していましたが、今はシステム内で確認できるようになっています。
—作業時間も大幅に軽減されましたか?
神盛日中に手動実行していた一部の業務について、手待ち時間が発生していたのですが、夜間バッチ処理対応としてシステム化したので、日中の業務効率化が実現できました。
密な連絡と細かな対応 ~プロジェクトを振り返って
—プロジェクトの終了後、全体を振り返って感じることがあれば教えてください。
清瀬今井さんがプロジェクトの間ずっと常駐して一緒にやってくれたことが大きかったですね。密に連携が取れるし、すぐに対応してもらえるのがありがたかったです。 今井
プライベートでも親交を深めさせていただきました。
個人的にも楽しかったです。 神盛
以前のシステム刷新では、要望のヒアリングに留まり、基本設計やテスト工程に当社メンバーが入ることはあまりなかったのですが、今回のプロジェクトでは通常業務の傍らプロジェクトの工程にメンバーが参加する形態を取りました。参加したメンバーにとっては、忙しかったとは思いますが、プロジェクトの工程やその中での自分たちの携わり方を積極的に経験してくれたので、業務の幅も広がりましたし、それぞれの成長もすごく大きなものになったと思います。
また、組織面においても、このプロジェクトの中核的な役割を担った宮慶さんを中心とした「業務システムチーム」という組織を確立することができました。これまで基幹システムについての把握は属人的になっていたのですが、組織として体制を作り機能がしっかり果たせるようになったところが良かったと思います。 宮慶
自分以外の人に動いてもらう機会が多かったのですが、現場の方は通常の業務を抱えながらシステムのリプレイス作業のタスクも進めてくれました。
自分一人でやれば早く終わったと思うのですが、あえてその選択はしないで、時間がかかってもみんなで集まって認識を共有したうえで着実に進めていくことを心掛けていました。
そのおかげで、メンバーをまとめる立場としての進め方や配慮の仕方は勉強になりました。
ノウハウも蓄積できたので、業務を支援する立場を確立できたと思います。 今井
電話やメールで連絡を密に取ることで、皆さんと相談しながらうまく進めてこられたと思っています。
次のシステム刷新時には、皆さん自身でPMOをやっていただけるくらいのエッセンスは今回、プロジェクトを通じてお渡しできたかなと考えています。 神盛
私たちも、プロジェクトに専念しているわけではないので、今井さんには資料の作成やタスクの確認など、こちらの手の届かないところをすごく細かくフォローしていただきました。 清瀬
当社とシステム開発を行う企業とのやり取りも、今井さんが間に入ってくれたことで、調整がうまく進んだと思います。
今後の展望
—今後の展望についてお聞かせください。
神盛別商品の基幹システムが、前回のリプレイスからかなりの期間が経過していますので、今回のノウハウを活かして、この先システム刷新していきたいと思っています。
また、新しいサービスへの対応など機能追加も行っていきたいです。 今井
何か困ったことがありましたら、いつでも支援させていただきます!
—どうもありがとうございました。
お客様プロフィール
株式会社コスモライフ
所在地:〒675-0032
兵庫県加古川市加古川町備後358-1
資本金:5000万円
従業員数:315名(2022年12月時点)
事業内容:飲料水の製造・販売
URL:https://www.cosmolife.co.jp/