2026年3月期は、どのような取り組みに注力されましたか。


5ヵ年中期経営計画「Vision2026」では、「基盤事業※1の質的転換」「プライムビジネス※2の拡大」「新領域へのチャレンジ」の3つを基本方針に掲げ、事業拡大と高収益化に取り組んでいます。4年目となる2026年3月期は、基盤事業の質的転換とプライムビジネスの拡大をさらに推し進めるため、体制面の強化に注力しました。具体的には、プロダクトやクラウドサービスの活用に向けた組織面の強化に加え、資本業務提携先との連携を進めながら、請負案件の拡大や不採算案件の抑制に取り組みました。あわせて、ERPやインフラ構築、DX支援などの提供力を高め、コンサルティングから導入・サポートまでを一貫して担える体制づくりを進めてきました。新領域においても、サイバーセキュリティ、デジタル金融、農業ICTなどで将来の成長を見据えた取り組みを進めました。
※1 当社グループの売上高の大部分を占めるシステム開発事業とSI事業を、基盤事業と位置付けています。
※2 当社グループでは、お客さまと直接契約を結びサービスやソリューションを提供する事業を「プライムビジネス」と称しております。
どのような手応えがあり、逆にどこに課題を感じていますか。
大型請負案件の獲得や既存顧客との取引拡大に加え、開発生産性の向上や受注単価の改善が進み、売上・利益の拡大につながりました。また、プライムビジネスにおいては新規顧客の獲得も着実に進み、顧客基盤の拡大にもつながっています。なかでも、プロダクトやクラウドを活用した開発へのシフトが進んだことで、受注機会の拡大や収益性の改善につながってきたことを手応えとして感じています。
今後は、高度化・多様化するお客さまのニーズをより的確に捉え、提供価値をさらに高めていくことが重要になります。そうしたニーズを着実に成長へ結びつけるため、人材基盤の強化に加え、一人ひとりが力を発揮しやすい環境整備をさらに進め、組織全体の力を高めていく必要があると考えています。
岩手銀行との資本業務提携を、どのように位置付けていますか。
2025年9月に、岩手銀行と資本業務提携を締結しました。これは、地域企業や地方公共団体のDX支援を両社で進めていくにあたり、業務面だけでなく資本面でも関係を強化し、より継続的な協業体制を構築していくためのものです。もともと両社は、2024年6月に地域のDX推進に係る連携協定を締結し、地元企業や地方公共団体へのIT・デジタル化支援に向けた連携を進めてきました。今回の提携は、そうした取り組みをさらに前に進める位置付けです。
今後は、地域企業や地方公共団体の課題解決に向けた取り組みを両社で進め、プライムビジネスの拡大にもつなげていきたいと考えています。
今年1月に設立したキーウェアメディカル株式会社の狙いを教えてください。
当社はこれまで、オーダリング・電子カルテシステムを基盤に、医療ヘルスケア分野においてソリューション提供を行ってきました。医療機関向けソリューション「Medlas」シリーズをはじめとする自社開発製品に加え、パートナー企業の製品も組み合わせながら、コンサルティングから導入・運用まで一貫して支援してきた実績があります。
そのうえで、キーウェアメディカル設立の狙いは、医療ヘルスケア分野において、より高い専門性を発揮しながら、変化する市場ニーズに機動的に対応できる体制を整えることにあります。医療DXの進展や医療情報の標準化・連携の加速に加え、予防・医療・介護まで含めたニーズの広がりも見据え、グループとして医療ヘルスケア分野での対応力を高めていきたいと考えています。
本社移転の狙いと、移転を機とした今後の取り組みについて教えてください。
当社では、人材を重要な資本と捉え、社員の成長と挑戦を支えることが、持続的な企業価値の向上につながると考えています。そうした考えのもと、教育・研修制度やエンゲージメント向上施策に加え、社員一人ひとりが力を発揮しやすい働く環境を整えることも重要だと考えています。その具体策の一つとして、2026年夏に本社を新宿区に移転します。
今回の移転では、多様な働き方への対応や業務効率化、生産性向上に加え、社員同士の交流促進による新たな価値創出を進めていきます。あわせて、エンゲージメント向上だけでなく、優秀な人材の確保や営業力の強化にもつなげていきたいと考えています。
株主還元について、どのように考えていますか。
当社では、株主還元を経営上の重要課題の一つと位置付けています。事業の成長を通じて企業価値を高めることに加え、その成果を株主の皆さまに適切に還元していくことも、上場企業として重要な責任と考えています。
配当については、業績や財務状況、今後の事業展開などを総合的に勘案しながら、継続的かつ安定的な還元を行っていく方針です。2026年3月期は、年間34円の配当とし、株主の皆さまへの還元機会の拡大を踏まえ、年2回の配当としました。2027年3月期については、配当性向35%以上を維持する方針のもと、年間40円の配当を予定しています。
また、株主優待制度については、日頃のご支援への感謝をお伝えするとともに、中長期的な視点で当社を見ていただくきっかけになればと考えています。
2027年3月期の目標と、その実現に向けた取り組みについてお聞かせください。
2027年3月期は、売上高240億円、営業利益12億円を目標としています。基盤事業の質的転換をさらに進めるとともに、プライムビジネスの拡大や新領域へのチャレンジを着実に前進させ、事業成長をより確かなものにしていきます。
なお、営業利益計画には、本社移転に伴う一時的な費用に加え、人材育成をはじめとする人材基盤への投資やセキュリティ強化に必要な投資を織り込んでいます。こうした成長に向けた投資を進めながら、収益拡大にも着実につなげていく考えです。
5ヵ年中期経営計画
(2023年3月期〜2027年3月期)

最後に、株主の皆さまへメッセージをお願いします。
中期経営計画の最終年度は、これまで進めてきた取り組みの成果を形にしていく節目だと考えています。一方で、私たちが見据えているのは、その先にある持続的な成長です。最終年度の目標達成に取り組むとともに、次の成長フェーズにつながる事業基盤を着実に築いていくことが重要だと考えております。
株主の皆さまにおかれましては、今後とも一層のご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。