ヘッド
バックナンバーTOPにもどる

こんなトコロに、キーウェア 亘理町「いちごファーム」における栽培技術の研究を支援、次世代の農業を実現

東北一のいちご生産地・宮城県。その南部の太平洋沿岸に位置する亘理町(わたりちょう)は、冬場も日照量が多く、水はけのよい砂質の土壌が広がる、いちごの栽培に適した気候風土です。この地のいちごは、大粒で甘味が強いと評判で、「もういっこ」などの品種が全国に出荷されており、宮城県のいちご生産量の4割を亘理町産が占めていました。

そんないちごの町を一変させてしまったのが、東日本大震災です。震災による津波が平野部深くにまで押し寄せ、いちご農地の90%以上が浸水。農地はがれきに埋もれ、苗やハウスもほぼ全滅してしまいました。その後、震災からおよそ半年以上を経てようやくがれきの撤去などを終えたところに、さらなる試練が待ち受けていました。海水が土壌だけでなく地下水にまでしみこんでしまったため、深刻な塩害が発生したのです。同町のいちご農家の多くが「土耕栽培」を採用していただけに、土壌が使えなくなったことは大きな打撃となりました。

しかしそれでも、亘理町の方々のいちご生産にかける思いは消えることはありませんでした。「いちごの復興が亘理の復興」と、東北一のいちご産地の復活を誓い、立ち上がったのです。そして、国の復興交付金を活用し、大規模なハウスと選果場を備えた「亘理町いちご団地」の建設を決定。2013年9月に同団地が完成しました。

ただし、いちご生産を再開するにあたっては課題もありました。栽培方式をそれまでの土耕栽培から切り替えて、地上1メートルほどの高さにプランターを並べて養液で栽培する「高設ベンチ栽培」という新たな方式に取り組むことになったため、震災前とは異なる独自の栽培ノウハウを構築する必要が生じてきたのです。

写真

そこで同町では、新たな栽培技術を研究する施設として「いちごファーム」を団地内に整備。キーウェアでは同施設に農業ICTソリューション「OGAL(オーガル)モニター」を提供し、ノウハウの構築をサポートしています。本システムの利用により、圃場の気温や湿度、二酸化炭素濃度といった環境情報をセンサーで自動収集し、パソコンやスマートフォンを使って遠隔からモニタリングすることが可能になりました。同町では、得られたデータに基づいて栽培方法を検討。その結果、いちごの生育促進のために用いる二酸化炭素の施用方法の改善や、燃料費の削減などが図られました。

写真

当社では、次の50年を見据えた新たな事業領域として、スマートアグリの分野に取り組んでいます。これからも、農作物の品質・収量の向上や、省エネルギーなどを実現する新たな栽培方式の研究と早期の地域展開を支援し、亘理町様のいちご生産の復活と東北地域の復興に貢献してまいります。

バックナンバー 過去の特集・コンテンツのバックナンバー IRページリンク その他、IR情報はコチラからご覧ください

ページトップへ